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報告書

Zr-93の質量分析を目的としたZr-91濃縮安定同位体標準液の調製

今田 未来; 浅井 志保; 半澤 有希子; 間柄 正明

JAEA-Technology 2015-054, 22 Pages, 2016/03

JAEA-Technology-2015-054.pdf:3.44MB

ICP-MSを用いた同位体希釈質量分析法(IDMS)により、使用済燃料や高レベル放射性廃棄物中に存在する長寿命核種Zr-93を定量するためのスパイクとする標準液を、Zr-91濃縮安定同位体標準(以下、Zr-91標準)を金属の状態で入手し溶解して調製することとした。Zr-91標準を溶解する前に、模擬金属Zr試料を用いて溶解条件を検討した。最適な条件であった3v/v% HF-1 M HNO$$_3$$混合溶媒0.2mLによってZr-91標準2mgを溶解し、1M HNO$$_3$$を用いて希釈して濃度を約1000$$mu$$g/gとした。市販のZr元素標準液をスパイクとして、ICP-MSを用いたIDMSによりZr-91標準溶解液の濃度を(9.6$$pm$$1.0)$$times$$10$$^2$$$$mu$$g/gと決定した。定量結果が予測したZr濃度と一致したことから、Zr-91標準溶解液は化学的に安定な状態で存在していること、及びZr-91標準溶解液中の不純物測定結果から不純物の有意な混入がないことを確認した。これらの結果から、調製したZr-91標準溶解液は、Zr-93分析用の濃縮安定同位体標準液として十分な品質を有していることが示された。

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